Windows に入っている "MS P ゴシック" を Mozilla で使えるようにしてみました。
OS | VineLinux 2.1 |
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XFree | 3.3.6 |
Windows からフォントを持ってくる。 Windows 98 の場合、"C:\Windows\Fonts\" フォルダーに "msgothic.ttc" というファイルがある。
拡張子が ttc というのは TrueTypeCollection というファイルで 1 つのフォントファイルの中に複数のフォントが入っているもの。Win98のmsgothic.ttcの場合、MS ゴシックと MS P ゴシックと MS UI ゴシックの3つが入っている。
msgothic.ttc を Linux の適当なディレクトリーにコピーする。 例えば "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/TrueType/" にコピーする。 このディレクトリには始めからパスが通っているので、パスの設定がいらない。 もしここ以外の場所にコピーした場合には、"/etc/X11/XF86Config" にフォントのパスを追加する。 以下のような感じ。
FontPath /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TrueType
FontPath /usr/share/fonts/TrueType
つぎにフォントをインストールしたディレクトリに "fonts.dir" というファイルを作って、 以下のような内容を書き込む。すでに fonts.dir が存在する場合には下の 12 行を加え、 ファイルの先頭の数字に 12 を足す。先頭の数字は fonts.dir に書いてあるエントリー数。
12
fn=1:msgothic.ttc -ms-pgothic-medium-r-normal--0-0-0-0-p-0-iso8859-1
ab=y:fn=1:msgothic.ttc -ms-pgothic-bold-r-normal--0-0-0-0-p-0-iso8859-1
fn=1:ai=0.4:msgothic.ttc -ms-pgothic-medium-i-normal--0-0-0-0-p-0-iso8859-1
ab=y:fn=1:ai=0.4:msgothic.ttc -ms-pgothic-bold-i-normal--0-0-0-0-p-0-iso8859-1
fn=1:msgothic.ttc -ms-pgothic-medium-r-normal--0-0-0-0-p-0-jisx0201.1976-0
ab=y:fn=1:msgothic.ttc -ms-pgothic-bold-r-normal--0-0-0-0-p-0-jisx0201.1976-0
fn=1:ai=0.4:msgothic.ttc -ms-pgothic-medium-i-normal--0-0-0-0-p-0-jisx0201.1976-0
ab=y:fn=1:ai=0.4:msgothic.ttc -ms-pgothic-bold-i-normal--0-0-0-0-p-0-jisx0201.1976-0
fn=1:msgothic.ttc -ms-pgothic-medium-r-normal--0-0-0-0-p-0-jisx0208.1983-0
ab=y:fn=1:msgothic.ttc -ms-pgothic-bold-r-normal--0-0-0-0-p-0-jisx0208.1983-0
fn=1:ai=0.4:msgothic.ttc -ms-pgothic-medium-i-normal--0-0-0-0-p-0-jisx0208.1983-0
ab=y:fn=1:ai=0.4:msgothic.ttc -ms-pgothic-bold-i-normal--0-0-0-0-p-0-jisx0208.1983-0
上から順に
半角英数
半角英数(ボールド)
半角英数(イタリック)
半角英数(ボールド+イタリック)
半角カナ
半角カナ(ボールド)
半角カナ(イタリック)
半角カナ(ボールド+イタリック)
全角かな
全角かな(ボールド)
全角かな(イタリック)
全角かな(ボールド+イタリック)
を表している。
行の意味
msgothic.ttc -ms-pgothic-medium-r-normal--0-0-0-0-p-0-iso8859-1
先頭から順に以下のようになっている
供給者名 | フォントの作成者やメーカー |
種類 | フォント名(gothic とか mincho とか) |
太さ | 通常の太さならば "medium"、太字ならば "bold" |
傾き | ローマン(通常のフォント)ならば "r"、イタリックならば "i"、逆イタリックならば "ri" |
幅 | 文字の幅。"normal" にしておく |
追加スタイル名 | 空にしておく |
ピクセルサイズ | フォントの高さのピクセル数。TrueType では 0 にしておく |
ポイントサイズ | フォントの高さのポイント数。TrueType では 0 にしておく |
X 軸解像度 | フォントのX軸方向の解像度(dpi)。TrueType では 0 にしておく |
Y 軸解像度 | フォントのY軸方向の解像度(dpi)。TrueType では 0 にしておく |
スペーシング | プロポーショナルフォントならば "p"、固定ピッチならば "m"、定スペースならば "c"。かなや漢字には "c" を、英数字には "p"を指定しておく。 |
平均の幅 | フォントの平均ピクセル幅 * 10。TrueType では 0 にしておく |
キャラクタセット | 英数字には iso8859-1 を、半角カナには jisx0201.1976-0 を、全角には jisx0208.1983-0 を指定しておく。 |
ファイル名の先頭に TTCap というものをつけることで見た目を変えることができる。
ai=実数 | フォントに傾きをつけイタリック風にする。- を付けると逆イタリックにできる |
bw=実数 | フォントの幅を変えられる。bw=0.5にすれば半分の幅になり半角カナを作れる |
ab=y | 擬似的にボールドを作れる |
msgothic のような TTC フォントはファイルの頭に "fn=数字" をつけることによってフォントを選択する
fn=0 MS ゴシック
fn=1 MS P ゴシック
fn=2 MS UI ゴシック
以上の作業が終ったらいったん X を再起動する。作業がうまく行っていれば Netscape や Mozilla で MS P ゴシックが使えるようになっているはず。